茨城キリスト教大学
文学部 児童教育学科
講師 飛田 隆

子どもがいる幸せを忘れそうになることはありませんか

子どもがいない世界を考えたらどうでしょう。くま 子どもがいることで起こる様々な問題から解放され大人は楽しい生活をしているでしょうか、子どもがいなければ随分と平穏で効率の良い豊かな社会になるでしょうか、きっとそんなことはないと言う声があちらこちらから起こってくると思います。
 しかし不思議なことに日本の少子化問題 はなかなか解決しません。理由はいろいろあるのでしょうが、本気で「子どもがいる幸せ」を考えていないのではと思うのです。
文頭で書いた「子どものいない世界を考えれば答えはすぐに出ると思います。
 最初から極端な話で申し訳ないですが、子育てをする中でうっかりすると「子どものいる幸せ」を忘れそうになることがあるのではないかと思うからです。
 子どもに関わる悩みをお聞きしていると悩みの深さから問題に心を奪われ肝心の子どもの心を後回しにしているケースに出会うことが少なくないからです。
 お一人お一人の相談者の方々は真剣にお子さんのことを愛し、本当に心配しているのはよく伝わってきますが、親の立場で問題を解決したいという気持ちが強すぎ、子どもの気持ちで問題を考えていないことが悩みの深さを作っている場合があります。


 

 子どもの気持ちや立場になって考えると親の立場で考えていたときには見えてこなかった問題や子どもの悩み苦しみが見えてきます。時には子どもなりに考え行動したことが親の立場からすると余計なことに見えることもあります。
 幼いお子さんの場合困ったクセの原因が親の関わり方や考え方にある場合があります。もちろん親は子どものためにと考え、子どもにしているのですが、あまりに子どもの将来のためにと考えるばかり、今の子どもの姿が見えなくなっている場合もあります。
また、子どもに失敗をさせたくないと考え先取りして色々な言葉や環境を整えるあまり子どもが親の言葉や行動に敏感になり困った行動を起こす場合もあります。

 私が相談を受けた中にお子さんの「頻尿」の相談がありました。
もちろんお母さんは医師にも相談し、身体的にはなんの問題もないのに頻尿が治らず、医師から精神的なことが原因ではないかと言われ、私の所に相談に来られました。
細かい相談内容は書けませんが、簡単に言うと、その問題をお母さんに忘れるように伝えたら「頻尿」の問題は解決しました。
 このお母さんは、出かけるたびに子どもがお漏らしをしては大変だと考え、出かけるごとに子どもに
「トイレ行かなくていいの、トイレに行って」と習慣のように言っていたのです。
その事が身に付いていた子どもはそのしつけを守り実行する中で「頻尿」になっていったのです。
 大好きなお母さんの言うことだから子どもは一生懸命にこのしつけを守り、母親はかわいい子どもだから失敗しないようにとの親心で子どもに出かける前のトイレのしつけをしたわけです。
 このほかにも色々な相談を受けましたが、どんなに深刻な悩みでも、お子さんがいてくれるからこそ、この悩みがあるのだと言うことを相談者の方に伝えると、少し気持ちにゆとりを持って関わっていただけるようになったと思うのです。そうすると不思議なことにお子さんにかける言葉が少し違って緩やかな言葉になります。
 私は子どもさんの相談に乗るときに心の中で呪文のようにこの言葉を口にします。
 「子どもがいる幸せ」皆さんはいかがでしょうか。





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